工大生のメモ帳

読書感想その他もろもろ

感想作品リスト「五十音順」

感想を書いた作品を五十音順にまとめました。リンク先はシリーズの一巻になっています。

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カ行

サ行

タ行

ナ行

ハ行

マ行

ヤ行

ラ行

ワ行

ガンゲイル・オンラインⅥ ワン・サマー・デイ

※ネタバレをしないように書いています。

※これまでのネタバレを含みます(一巻の感想はこちら→ガンゲイル・オンラインⅠ スクワッド・ジャム

一夏の死闘

情報

作者:時雨沢恵一

イラスト:黒星紅白

監修:川原礫

ざっくりあらすじ

 

第三回スクワッド・ジャムの死闘から約一ヶ月が経った。

そんなある日。全国に散らばるSJメンバーの元に一通のメールが届く。それは歴代上位胃入賞チームのみが参加できる新ゲーム、 "20260816テストプレイ" への招待状だった。

GGOの運営会社からの依頼で開催される趣旨の全く異なったゲームで、最新のAIが搭載されたNPCが防衛する拠点を攻略するというものだった。

SHINCとの約束のために参加を決意するレン。

彼女はゲームで目撃するNPCの脅威とは・・・・・・

感想などなど

今までSJを舞台にしたガンアクションだったのが一転。今回は "20260816テストプレイ" という新しいゲームが舞台になります。

ルールは至ってシンプル。NPCが守る拠点を攻めるというもの。今までSJで圧倒的強さを見せつけてくれたレン達なら、楽勝だろう・・・・・・と思ってしまうのは無理もありません。

敵はあくまで最新のAIの搭載されたNPC。今まで数多くの死線をくぐり抜けてきたレン達にとって敵ではない・・・・・・

と思っている時期が俺にもありました。

相手はただのNPCではありません。最新のNPCが搭載されたNPDCなのです。

簡単に説明すると「戦場で相手に合わせて成長し、作戦を考える」というもの。

機動力やAIM力、作戦の実行能力はもはや人のそれであり、SJ上位常連のレン達をも凌駕するもでした。

 

さて相変わらずレンも何かしたの理由を見つけて参加します。今回は「SHINCと闘う」というものです。何せ前回は闘うつもりだったリーダーが味方になったり、色々ありましたからね。「今回こそは・・・・・・!」という意思の元、つまり全くゲームのNPCと闘うつもりなく参加しました。

他の常連メンバー、SHINCやMMTMも参加していますが、正直息抜き程度にしか思っていないようで。「所詮AI、所詮NPC」の考えが透けて見えます。

しかし拠点に向かったレン達はスナイプで死に、マシンガンの雨で死に、近づく手段もままならないままタイムリミットだけが刻一刻と近づいてきます。

さて今まで敵同士だったSJ常連達。拠点に一番早くたどり着いたチームに、与えられるという報酬を手に入れられるのは一体どのチームなのか。

いや、まずその前に突破できるのか?

 

今回注目すべきはガンアクションだけではありません。

敵として現れるNPCは圧倒的強さを誇ります。レン一人で突っ込んだところで蜂の巣にされるのがオチでしょう。

その強さの秘訣とは一体なんなのでしょう。最新のAI? まぁ、確かにそのようにゲームの説明には書かれています。

所々敵であるNPC側らしき視点で物語が描かれます。それを見る限りどうしても彼らがただのNPCにはどうしても思えなくなります。

レン達側の視点から拠点は難攻不落の城のように見えることでしょう。しかし同様にSJ最強メンバーから責め立てられるNPC側から、レン達はどのように見えているのでしょうか。

撃ち殺したと思ったら復活。どんなに防衛を固めてもその間を縫ってこようと策を巡らせてきて、息をつく暇もなく、常に神経を張り巡らせておかないといけない緊張感。

彼らにとってそれが現実なのでした。

 

今までとは少し変わった内容ですが、相変わらず読み応え抜群のガンアクションは顕在です。最後は驚くこと間違いなし。

ブギーポップ・イン・ザ・ミラー「パンドラ」 感想

※ネタバレをしないように書いています。

※これまでのネタバレを含みます(出版順で一巻の感想はこちら→ブギーポップは笑わない 感想 - 工大生のメモ帳

世界の命運は、彼らに託された。

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作者:上遠野浩平

イラスト:緒方剛志

ざっくりあらすじ

一見何も共通点のなさそうな六人の少年少女。彼らはみんな未来が分かるという不思議な力を持っていた。六人は一緒に仲間として、ささやかに能力を使って過ごしていた。

そんなある日。

「これ――ブギーポップ?」

都市伝説。噂。幻影。その姿を未来に見たとき、彼らの運命は狂い始める。

世界を終わらせる少女。

統和機構。

炎の魔女

そして、ブギーポップ

世界の命運は彼らに託された。

感想などなど

ブギーポップ四作目。前2冊目と3冊目がイマジネーターPART1、PART2ということで、まとめたとすれば三作目ということになります。時系列的にはスプーキーEがいるので、イマジネーターが現れる前ということでしょう。

今回は比較的親しみやすい世界観に物語。視点が変わっていく群像劇なのは相変わらずですが、今までと違って登場人物がみんな親しい仲間ということで、物語ごとの繋がりが分かりやすいかったです。

登場人物は六人の少年少女。産まれも育ちも何もかもが違っていて、共通点なんてないように思われる彼らには、「未来が分かる」という超能力を持っていた。

未来の見え方は人それぞれ。

「目を見れば未来で会う人が見える」<イントゥ・アイズ>

「未来の風景を描く」<自動写生 オートマティック>

「未来で行く場所の匂いが分かる」<アロマ>

「未来に聞く会話などを勝手に話す」<ウィスパリング>

「未来の出来事がぼんやりと分かる」<ベイビィトーク>

「未来の出来事が痣となって体に現れる」<聖痣 スティグマ

どれもぼんやりとした未来しか分からないものであって、いつ起こる出来事なのか? 結局何が起こるのか? 釈然としない。

<ベイビィトーク>は「ギシギシしてる」とか「熱い」という実にぼんやりとしか分からない。<アロマ>で匂いが分かっても、<聖痣 スティグマ>で「東」と文字が浮かんだからといって何も分からない。<イントゥ・アイズ>だってそれ単体では使い道はないし、<自動写生 オートマティック>も自動ということでたまにしか使えない。

六人はそんな微妙な能力を使って分かる断片的な情報から、未来を推定していくことで、ささいな活動を行っていた。

人助けでもうすぐ赤ちゃんが産まれる女の人を助けたり、火事の通報を火事が起こる五分前にしたり・・・・・・やっていること自体は些細なことであるし、本人達も遊び感覚であるようだ。

しかし、そんな日常も終わりを告げる。

六人それぞれの能力の結果から、何かの薬? の取引が行われることを特定した。そこで警察に通報すればよかったのだが、仲間の一人――海影香澄――の発言で、六人は自分たちでその取引を止めることにする。

六人には自信があった。自分たちには力があると。六人の力を合わせればどんなことでもできると。

そこにちらつくブギーポップと怪しい少女。

 

彼らは世界の命運を握ることになってしまった。彼らは別に犯罪に手を染めたわけではない。”たまたま” 六人が能力を持っていて、六人が集って活動を行っていただけである。強いて言うなら、あまりこう言いたくはないのだが、「運が悪かった」ということなのだろう。

どうしてそんなことになったのか? 世界を滅ぼすほどの存在とは一体何なのか? そこらへんは本を買って貰うとして。

ここで考えて貰いたい。ブギーポップとはどういう存在だったか。

彼は自動的に現れる。世界の抑止力として彼は存在しているのだ。

 

今回のポイントは友情だろうか。彼ら六人は互いに「信用していない」と言っていた。確かに彼らは個人情報を隠して接していたし、出会いもかなり唐突なものだった。

そんな彼らが協力しなければ立ち向かえない、世界の危機に直面する。

最後の最後。彼らは皆、何を思うのか。

スカッとした読了感がたまらない。相変わらず面白かったです。

スカートのなかのひみつ。 感想

※ネタバレをしないように書いています。

男の娘アイドル!?

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作者:宮入裕昂

イラスト:焦茶

ざっくりあらすじ

 

女装が趣味の天野翔は、GWの街でクラスメイト――八坂幸喜真に出会う。彼はその名の通り好奇心の塊のような男だった。

周りに隠し続けた女装趣味を、八坂は「せっかく可愛いのにもったいない」と言い、学校に女装してくるように持ちかける。「絶対に嫌だ」と言いながら、いつしか天野翔は・・・・・・。

広瀬怜は学校へ向かう途中、とある女子高生のスカートの中を目撃してしまう。そこから始まる奇妙な日常。

病院へモンスターを見に行き、時価八千万円のタイヤを盗みにひた走る。

彼も彼女もスカートの中に秘密を隠していた。

感想などなど

おしゃれな表紙に惹かれて購入しました今回の作品。ジャンルとしては学園群像劇といったところでしょうか。二人の登場人物、女装趣味の男 ”天野翔” と平凡な高校生 ”広瀬怜” の二人の視点が、交互に移りゆきながら展開されていきます。

時間軸と場面が少し分かりにくいのが難点でしょうか。しかし別にミステリーというわけでもありませんし、それほど複雑怪奇というわけでもありません。何となくの理解で作品は楽しめるかと思います。

さて、この作品を読んだ人ならば、かならず好きになってしまう登場人物がいます。

八坂幸喜真・・・・・・やさかこうきしん。名は体を表すと言わんばかりに、彼は好奇心に手足が生えたような人間でした。

例えば、彼の夢は「サンタになって空を飛ぶこと」で、留年生である彼が留年した理由は「好きになった女の子の学年が一つ下だったから」・・・・・・あれ? 好奇心の塊であるってことを説明したかったんだけど・・・・・・。

まぁ、彼は行動が読めない人間だということが分かっていただけたでしょう。普通の人であれば、絶対にやろうともしないことを平然とやってのけるわけです。

ここで注目して貰いたいのは彼が留年する原因となった好きな人の存在。彼のような熱い人間が、留年してまでもお近づきになりたいと思う女性とは一体どんな人物なのでしょうか。

そして彼はお近づきになることができたのでしょうか。

ここは作品を読んでのお楽しみと言うことで。

 

八坂幸喜真は基本的に天野翔側の視点で登場し、天野翔と共に行動していきます。八坂の行動と熱意に押され、可愛すぎる女装男子として自信と自由を手に入れていく青春物語が進んでいきます。

そんな物語とは打って変わって、広瀬怜の物語は謎があまりに多い。

学校へ向かう道中。普通ならば黙って横を通りすげて、会話なんてすることもなかっただろう相手に ”スカートの中を見てしまった” がために声をかけられます。その相手が市でたった一人選ばれる ”白蛇姫” こと丸井宴花。

白蛇姫とは市で開催される一番大きな祭りの花形的存在であって、ミス〇〇市的存在といったところでしょうか。美しさもさることながら、踊ったりする身体能力も評価の対象だったり、応募者が千人単位で来るというかなり狭き門であるようです。

そんな彼女に連れられて、向かう先は病院だったり、泥棒だったり・・・・・・。彼女の真意なんて一切分からぬまま、物語は進行していきます。

背後には怪しいストーカーの影がうごめき、街にはシャーリーという女子高生ばかり狙う痴漢が出没。慌ただしく物語は動いていきます。

 

さてそんな一見何も関係もなさそうな二つの物語が混じり合って、一つの恋愛物語が姿を見せます。誰かのために一生懸命に生きる男と、将来に希望を抱けない女。二人の物語が始まって終わっていきます。

最初に青春群像劇と書いたかも知れませんが、これは恋愛小説です。サンタは空を飛ぶのです。

群像劇特有の物語が収束していく過程は一気読み確実間違いなしでしょう。

ブギーポップ・リターンズ VSイマジネーター PART2 感想

※ネタバレをしないように書いています。

※これまでのネタバレを含みます(出版順で一巻の感想はこちら→ブギーポップは笑わない 感想 - 工大生のメモ帳

これは正義と愛の物語。

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作者:上遠野浩平

イラスト:緒方剛志

ざっくりあらすじ

「君には犠牲になってもらう」

……飛鳥井仁

「世界を造りかえるのが、私の使命」

……イマジネーター

「わたしには彼女を助けるしかないんです……」

……未真知子

「それって、愛の告白?」

……宮下藤花

「アイツと違って名乗る趣味はないね」

……炎の魔女

「あら、正義に理由はいらないでしょう?」

……衣川琴絵

自分すべきことをして、守りたいもののために、闘う者達がいた。

感想などなど

さてさて、PART1ではイマジネーター(と名乗る飛鳥井仁)が何やら怪しい目的のために動き出し、スプーキーEが自分の分身を動かし事件を起こす。それを止めるためにブギーポップがやって来る。目まぐるしく事件は回っていきますが、まだ終わりは見えず……。織機綺と谷口正樹の奇妙な関係性もどこかもどかしい。

そんな彼ら、彼女たちの物語が徐々に収束していきます。

そんな物語を理解するために大事になってくるのは『人の心に足りない物が分かる』飛鳥井仁と、『統和機関の回し者』織機綺の二人でしょうか。

まず飛鳥井仁。

PART1を読んだ人達は彼の目的が分かりましたでしょうか? 自分は「春に雪を降らせる」とか言われても、「何言ってんだ、こいつ。環境破壊でもしようとしてんのか」としかなりません。まぁ、もちろんそんなはずもないわけでありまして。

彼の真意。何を思って行動しているのか、が重要になってきます。その目的の達成のために邪魔(もしくは必要?)だったのが、スプーキーEであったと……。ややこしい。

次に織機綺。

彼女は普通ではありません。統和機関の回し者であり、スプーキーEにこき使われる存在で、どんな命令にだって従います。それは「殺人」だったり「生殖」だったり、人として扱われたことなんてこれまで一度だってなかったことでしょう。

そんな彼女の前に現れたのが谷口正樹です。彼は彼女をデートに誘い、ブギーポップを真似して欲しいという明らかに怪しいお願いも進んで受け入れます。

理由はただ好きになってしまったから。彼女が普通でないと知っていながら、彼女に近づき彼女のために行動します。

織機綺は度々「理解できない」と苦しみます。しかし、拒絶することもできず彼と行動を共にし、むしろ一緒にいたいと段々思うようになります。

そんな彼女の気持ちと裏腹に、苛立ちと焦りを覚えるスプーキーEは自らの作戦を推し進めていく。

そんな彼女の気持ちと行動は注目して読むべきです。

 

多くの人物の視点で描かれていく物語。相変わらず感想を書くことには苦労します。

作品には、それぞれの登場人物が心に抱いた「正義」や「愛」がありました。分かりやすいのは谷口正樹と織機綺でしょうか。互いに互いを思い、行動しています。飛鳥井仁も彼なりに正しいと思った「正義」を抱き行動していました。

ブギーポップだってそうです。彼が何のために闘っているのかと聞かれれば、彼なりの「正義」があるはずです。聞いてみれば、きっと長々と語ってくれることでしょう。

それが消えない限り、彼らはいつまでも物語を紡ぎ続けてくれるはずです。

 

読み終えた後、心にぽっかり穴が空いたようになってしまいました。

果たして彼と彼女は今後どうなってしまったのか。考えずにはいられません。

 

↓次巻の感想はこちら

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イリヤの空、UFOの夏 その2 感想

※ネタバレをしないように書いています。

※これまでのネタバレを含みます(一巻の感想はこちら→イリヤの空、UFOの夏 その1 感想 - 工大生のメモ帳

文化祭。彼女。夏は始まったばかり。

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作者:秋山瑞人

イラスト:駒都えーじ

ざっくりあらすじ

浅羽直之と伊里弥可奈のデートを尾行する影が一人、二人、三人……そんなデートが平凡に、普通に終わるはずもなく、ただならぬ事が起こって?!

……正しい原チャリの盗み方・後編

文化祭といえばカップルで踊る最後のダンス! というわけでその原中学に巻き起こる一騒動。

……十八時四十七分三十二秒

夏はまだ始まったばかりである。

感想などなど

夏はまだ始まったばかりである。まだまだ彼ら、彼女らのUFOの夏は終わらない。

前回は浅羽直之と伊里弥可奈のデートを尾行する人達の、賑やかな休日が始まろうとしているところで終わった。デートを尾行するという字面だけでも大分カオスだが、さらに事態はカオスに向かって行く。

2巻は1巻で大分謎だった伊里弥可奈だったり、水前寺邦博だったりの隠された背景だったりが少しずつ浮き彫りにされていく。

例えば……伊里弥可奈がバイクを盗んで尾行から逃げるというシーンがある。この一行だけでも大分おかしいが、何よりも注目すべきはその手際の良さだろう。とてもじゃないがそこらにいる女子中学生にできることではないし、教えたところでできるようになるかどうか怪しい。自分にも当然できない。

まぁ、基地に住んでいるという時点で怪しさ満点であったし、一巻の時点で彼女がただ者ではないということは分かるが。

そして我らが新聞部部長・水前寺邦博も彼女に追随する高スペック人間だった。1巻の最後でも独自の観察眼と洞察力、行動力にて、自分達と同じように尾行している人間を見つけ出した。2巻でももうちょっと活躍してくれます。

 

さて、これまで主人公を取り囲む高スペック人間を取り上げてきたが、主人公である浅羽直之はどうだろう。一体どんな力を見せつけて活躍をしてくれるのだろうか――と期待している人には申し訳ない。

彼は平凡を究めたどこにでもいる男子中学生だ。

バイクを盗む技術も度胸もなければ、伊里弥可奈の背後に潜む強大な影の存在なんて考えもしない。ただただ日常を過ごす普通の男の子だった。

全4巻のうち半分が終わったことになる。しかし、読んで貰ったら分かると思うが、まだまだ日常パートが続いているのだ(伏線が張られているがそれは周回時のお楽しみだ)。

舞台は中学校。これから始まるのは文化祭。

新聞部も、基地のジオラマやUFOの模型を作って展示する。無論他に存在している部活も展示やイベントを行っていく。大盛り上がりの文化祭は、作品としてこれ単体でも楽しめるほどに濃い内容である。

この文化祭で大事になってくるのが、伊里弥可奈の存在であろう。言ってしまえばずっと大切な存在ではあるのだが。

彼女はあまり登場しない。理由はあまり多くを語られていないし、断言もされていない。しかし、まぁ……うん。大体読んでれば察しがつく。つかない人は国語の勉強をした方がいい。

文化祭最後の大トリとなるイベントに、ペアを作ってダンスを踊るというものがある。

中学生それぞれが様々な思いを抱くであろうこのイベントで、浅羽直之は伊里弥可奈とダンスを踊る約束をした。

開始の時刻が着々と迫ってくる。しかし、伊里弥可奈はやってこない。

果たしてダンスを一緒に踊れるのか? 戦闘物というわけでもないのに、手に汗握ってしまう。

 

まだ日常が続く。

この作品がセカイ系(とある一人が世界の命運を担っている的な作品)に分類されるのも、ここまでだけ読んでいたら理解できないかも知れないが、3巻から先を読めば納得だ。

主人公はとてつもなく弱い。何か特別なことなんてできないし、超能力なんてもっての他。そんな彼はこの日常を通して、どう変わっていくのか。見物です。

 

ブギーポップ・リターンズ VSイマジネーター PART1 感想

※ネタバレをしないように書いています。

※これまでのネタバレを含みます(出版順で一巻の感想はこちら→ブギーポップは笑わない 感想 - 工大生のメモ帳

イマジネーターって知ってる?

情報

作者:上遠野浩平

イラスト:緒方剛志

ざっくりあらすじ

「なにかぼくにして欲しいことはないかい? 何でも言う事を聞くよ」

……谷口正樹

「好き嫌いはないの……嫌う資格、ないから」

……織機綺

「この世の中には、決まりごとなんてなんにもないのよ」

……水乃星透子

「俺様の役に立たないのならば、すぐにでも処理する」

……スプーキーE

「なんで泣くんだろう、俺」

……安能慎二郎

多くの人の思惑が入り乱れ、怪しい影が動き出し、四月に白い雪が降る。

感想などなど

ブギーポップは笑わない」の続編ということになるのでしょうか。笑わないの方でしっかり完結しているので、続編と言うのも何か違う気がしますが。

ブギーポップシリーズは調べてみる限り順番がよく分からなかったので、とりあえず出版順に読んで感想を上げていくことにします。ということで今回は「VSイマジネーター PART1」。PART2で完結、そちらの感想もいずれ上げます。

さて舞台は変わらず県立高等学校深陽学園のある町。ブギーポップ・リターンズの名の通りブギーポップも登場します。

 

前作もそうですが、登場人物がとても多い。あらすじに示した五人は主要な人物ではありますが、これ以外にもかなり重要な役割を果たしている人物が出てきます。

例えばイマジネーター。タイトルにもなっている通り、事件の裏でうごめく影の一つになります。

……そうあくまで一つ。タイトルで出てくるのに。

他にうごめく影としては統和機関が上げられます。これダンガンロンパにでてくる未来機関の名前の元ネタだそうですね。

他にもブギーポップも何やら暗躍してますし、もう何が何やら分かりません。

暗躍とも言わずとも「誰かを助けたい」と動く人もいて、「好きだから」という理由で動く人もいて、多くの人間(人間じゃない人もいますが)がもうそれはそれは自由に好き勝手動き回ります。もうここでネタバレなしに全てを書き記すことは不可能なほどです。

 

まぁ、そういってしまったらこの作品の魅力は何も伝わっていないでしょう。それではあまりに寂しいので、ちょっと物語に踏み込んでいきます。

今回はとある一人の人物。この物語の根幹を担うと言っても過言ではない一人の男子高校生 谷口正樹 について軽くまとめて見ます。

この物語に巻き込まれる前、彼は何処か達観した至って普通の男子高校生でした。そんな彼の物語が急に動いていきます。

始まりは街の路地裏。不良の男達(彼らにも彼らのドラマがあるのですがそれは読んで下さい)に絡まれるのですが、そこに一人の女子高生が現れます。

「――つまらないことをしてるのね」と言いながら。

さらに激高する彼らに向けて、

「――欲求不満なら、代わりに私で満足して」と言い放つ。

想像してみて下さい。

薄暗い路地裏で不良達に一人の男子高校生が囲まれています。そこに女性が一人やって来て、不良達の神経を逆なでするような言葉を投げかける。

助けるのかと思いきや自分の体で満足してと言い放った女性。

名前を織機綺と名乗った彼女は、何とか二人で逃げた後も、

「私が嫌いじゃなかったの、あなた」「私、他の人に嫌われちゃいけないの。普通人には、みんな」

と意味深な台詞を続けます。

そんな彼女が最後に見せた笑顔に心引かれてしまった谷口正樹は、彼女をデートに誘ってしまうわけですが……。

そこから先は読んでからのお楽しみ。

恋は盲目。惚れてしまって時点でもう負けてる、とだけ書き添えておきます。

 

あぁ、ネタバレなしで感想書くのが難しい。てかネタバレ有りでも難しいと思いますよ、これ。最終的にはただ事実の羅列になってしまうと思います。

ただでさえ多い登場人物と、それぞれに展開されていくドラマ。PART1ということで、まだそれぞれの人物のつながりもはっきりとせず、群像劇特有の物語の収束もないためにバラバラです。

アニメ化が見たいけど、アニメとしてまとめ上げるのは難しいだろうなと言って閉めておきましょう。

 

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ガーリー・エアフォースⅢ 感想

※ネタバレをしないように書いています。

※これまでのネタバレを含みます(一巻の感想はこちら→ガーリー・エアフォース 感想 - 工大生のメモ帳

反抗の時。

情報

作者:夏海公司

イラスト:遠坂あさぎ

ざっくりあらすじ

米軍から突然のお呼び出し。慧とグリペンは明るく気さくで、何処か謎めいたアニマ ライノに出会う。

そんな彼女もチームに加わりザイへの反攻作戦が始まる。

まずは大陸上陸の足がかりとして上海奪還作戦。

果たして作戦は成功するのか。

感想などなど

前回はファントムというアニマが仲間に加わり、無事に作戦を成功させ帰還。慧がファントムに気に入られて終わりました。いやぁ、戦闘機よりも高性能なドーターを指示されながらとは言え、操縦するなんて並の人間にはできないと思うのですが、これは素人考えなのでしょうか。

さて物語はいきなり夢の世界から始まります。そこにいるのは何処か雰囲気の違うグリペン。「正しい選択を、慧」と意味深な言葉を残して夢から覚めます。

この作品全体的に謎が多く、まだ明かされていないことの方がかなり多いです。

まずザイの正体。何処から来て、何故人類を攻撃してくるのか。

その謎について今回少しばかり触れられていきます。ここで大事になってくるのが、ザイから作られたというアニマの存在。彼女たちは人類のために動いてくれているとは言え、元々ザイであるという事実は揺るぎません。

ファントムもいつか人類に反抗してくるのではないかと疑われていたからこそ、あらゆる状態を想定しシミュレートを重ねられ、絶対に人類に逆らわないようにプログラミングされていました。

……結局の所、アニマである彼女たちは信用できるのでしょうか。

プログラミングにはバグがつきものです。しかも相手は謎に包まれたザイであって、自分たちの想像を超える何かをしてくる可能性は十分にあります。

自分たちの完璧だと思った作戦も、あくまで人類の常識内で想定した作戦です。果たして奴らに通用するのでしょうか。

 

通用するかしないかの話で一つ。

人類が圧倒的不利な理由は戦闘機の性能差だけでなく、相手の数が上げられます。相手は無尽蔵に戦闘機の数を増やしつつ、領土も拡大させてきます。そのスピードは正しく人類の常識にはとらわれない物です。

それに対抗……というと違うかも知れませんが、今回は一つの兵器が投入されます。

それが無人機。名前の通り人は乗っておらず、だからこそザイと互角の飛行性能を持たせることができます。

さらに人が乗らないと言うことで圧倒的数の差も多少補うことができます。

……問題は相手の出してくる妨害電波。これをどうにかしない限り使い物になりません。

それもご安心を。相手との戦闘データを元に妨害電波を解析し、相手の位置を割り出して自動で動くのだそう。簡単に言うと「相手の妨害電波から逆探知して相手や味方の位置を割り出して動く」ということらしい。なるほど。確かに良さそう。

さてこのように人類も策を練りに練り、人類の勝利のために動きます。

 

アニマ達が明るく振る舞っているので、絶望感がかなり和らいでいますが、冷静に状況を考えてみればかなり絶望的です。

中国はもう占拠されていますし、前回の作戦が失敗すれば日本上陸も目と鼻の先だったことでしょう。アニマ達が可愛いことだけが唯一の救いです。