工大生のメモ帳

読書感想その他もろもろ

感想作品リスト「五十音順」

感想を書いた作品を五十音順にまとめました。リンク先はシリーズの一巻になっています。

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ブギーポップ・リターンズ VSイマジネーター PART1 感想

※ネタバレをしないように書いています。

※これまでのネタバレを含みます(出版順で一巻の感想はこちら→ブギーポップは笑わない 感想 - 工大生のメモ帳

イマジネーターって知ってる?

情報

作者:上遠野浩平

イラスト:緒方剛志

ざっくりあらすじ

 

「なにかぼくにして欲しいことはないかい? 何でも言う事を聞くよ」

……谷口正樹

「好き嫌いはないの……嫌う資格、ないから」

……織機綺

「この世の中には、決まりごとなんてなんにもないのよ」

……水乃星透子

「俺様の役に立たないのならば、すぐにでも処理する」

……スプーキーE

「なんで泣くんだろう、俺」

……安能慎二郎

多くの人の思惑が入り乱れ、怪しい影が動き出し、四月に白い雪が降る。

感想などなど

ブギーポップは笑わない」の続編ということになるのでしょうか。笑わないの方でしっかり完結しているので、続編と言うのも何か違う気がしますが。

ブギーポップシリーズは調べてみる限り順番がよく分からなかったので、とりあえず出版順に読んで感想を上げていくことにします。ということで今回は「VSイマジネーター PART1」。PART2で完結、そちらの感想もいずれ上げます。

さて舞台は変わらず県立高等学校深陽学園のある町。ブギーポップ・リターンズの名の通りブギーポップも登場します。

 

前作もそうですが、登場人物がとても多い。あらすじに示した五人は主要な人物ではありますが、これ以外にもかなり重要な役割を果たしている人物が出てきます。

例えばイマジネーター。タイトルにもなっている通り、事件の裏でうごめく影の一つになります。

……そうあくまで一つ。タイトルで出てくるのに。

他にうごめく影としては統和機関が上げられます。これダンガンロンパにでてくる未来機関の名前の元ネタだそうですね。

他にもブギーポップも何やら暗躍してますし、もう何が何やら分かりません。

暗躍とも言わずとも「誰かを助けたい」と動く人もいて、「好きだから」という理由で動く人もいて、多くの人間(人間じゃない人もいますが)がもうそれはそれは自由に好き勝手動き回ります。もうここでネタバレなしに全てを書き記すことは不可能なほどです。

 

まぁ、そういってしまったらこの作品の魅力は何も伝わっていないでしょう。それではあまりに寂しいので、ちょっと物語に踏み込んでいきます。

今回はとある一人の人物。この物語の根幹を担うと言っても過言ではない一人の男子高校生 谷口正樹 について軽くまとめて見ます。

この物語に巻き込まれる前、彼は何処か達観した至って普通の男子高校生でした。そんな彼の物語が急に動いていきます。

始まりは街の路地裏。不良の男達(彼らにも彼らのドラマがあるのですがそれは読んで下さい)に絡まれるのですが、そこに一人の女子高生が現れます。

「――つまらないことをしてるのね」と言いながら。

さらに激高する彼らに向けて、

「――欲求不満なら、代わりに私で満足して」と言い放つ。

想像してみて下さい。

薄暗い路地裏で不良達に一人の男子高校生が囲まれています。そこに女性が一人やって来て、不良達の神経を逆なでするような言葉を投げかける。

助けるのかと思いきや自分の体で満足してと言い放った女性。

名前を織機綺と名乗った彼女は、何とか二人で逃げた後も、

「私が嫌いじゃなかったの、あなた」「私、他の人に嫌われちゃいけないの。普通人には、みんな」

と意味深な台詞を続けます。

そんな彼女が最後に見せた笑顔に心引かれてしまった谷口正樹は、彼女をデートに誘ってしまうわけですが……。

そこから先は読んでからのお楽しみ。

恋は盲目。惚れてしまって時点でもう負けてる、とだけ書き添えておきます。

 

あぁ、ネタバレなしで感想書くのが難しい。てかネタバレ有りでも難しいと思いますよ、これ。最終的にはただ事実の羅列になってしまうと思います。

ただでさえ多い登場人物と、それぞれに展開されていくドラマ。PART1ということで、まだそれぞれの人物のつながりもはっきりとせず、群像劇特有の物語の収束もないためにバラバラです。

アニメ化が見たいけど、アニメとしてまとめ上げるのは難しいだろうなと言って閉めておきましょう。

ガーリー・エアフォースⅢ 感想

※ネタバレをしないように書いています。

※これまでのネタバレを含みます(一巻の感想はこちら→ガーリー・エアフォース 感想 - 工大生のメモ帳

反抗の時。

情報

作者:夏海公司

イラスト:遠坂あさぎ

ざっくりあらすじ

米軍から突然のお呼び出し。慧とグリペンは明るく気さくで、何処か謎めいたアニマ ライノに出会う。

そんな彼女もチームに加わりザイへの反攻作戦が始まる。

まずは大陸上陸の足がかりとして上海奪還作戦。

果たして作戦は成功するのか。

感想などなど

前回はファントムというアニマが仲間に加わり、無事に作戦を成功させ帰還。慧がファントムに気に入られて終わりました。いやぁ、戦闘機よりも高性能なドーターを指示されながらとは言え、操縦するなんて並の人間にはできないと思うのですが、これは素人考えなのでしょうか。

さて物語はいきなり夢の世界から始まります。そこにいるのは何処か雰囲気の違うグリペン。「正しい選択を、慧」と意味深な言葉を残して夢から覚めます。

この作品全体的に謎が多く、まだ明かされていないことの方がかなり多いです。

まずザイの正体。何処から来て、何故人類を攻撃してくるのか。

その謎について今回少しばかり触れられていきます。ここで大事になってくるのが、ザイから作られたというアニマの存在。彼女たちは人類のために動いてくれているとは言え、元々ザイであるという事実は揺るぎません。

ファントムもいつか人類に反抗してくるのではないかと疑われていたからこそ、あらゆる状態を想定しシミュレートを重ねられ、絶対に人類に逆らわないようにプログラミングされていました。

……結局の所、アニマである彼女たちは信用できるのでしょうか。

プログラミングにはバグがつきものです。しかも相手は謎に包まれたザイであって、自分たちの想像を超える何かをしてくる可能性は十分にあります。

自分たちの完璧だと思った作戦も、あくまで人類の常識内で想定した作戦です。果たして奴らに通用するのでしょうか。

 

通用するかしないかの話で一つ。

人類が圧倒的不利な理由は戦闘機の性能差だけでなく、相手の数が上げられます。相手は無尽蔵に戦闘機の数を増やしつつ、領土も拡大させてきます。そのスピードは正しく人類の常識にはとらわれない物です。

それに対抗……というと違うかも知れませんが、今回は一つの兵器が投入されます。

それが無人機。名前の通り人は乗っておらず、だからこそザイと互角の飛行性能を持たせることができます。

さらに人が乗らないと言うことで圧倒的数の差も多少補うことができます。

……問題は相手の出してくる妨害電波。これをどうにかしない限り使い物になりません。

それもご安心を。相手との戦闘データを元に妨害電波を解析し、相手の位置を割り出して自動で動くのだそう。簡単に言うと「相手の妨害電波から逆探知して相手や味方の位置を割り出して動く」ということらしい。なるほど。確かに良さそう。

さてこのように人類も策を練りに練り、人類の勝利のために動きます。

 

アニマ達が明るく振る舞っているので、絶望感がかなり和らいでいますが、冷静に状況を考えてみればかなり絶望的です。

中国はもう占拠されていますし、前回の作戦が失敗すれば日本上陸も目と鼻の先だったことでしょう。アニマ達が可愛いことだけが唯一の救いです。

ガンゲイル・オンラインⅤ サード・スクワッド・ジャム ピトレイヤーズ・チョイス<下> 感想

※ネタバレをしないように書いています。

※これまでのネタバレを含みます(一巻の感想はこちら→ガンゲイル・オンラインⅠ スクワッド・ジャム

沈みゆく船内で巻き起こる死闘

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作者:時雨沢恵一

イラスト:黒星紅白

監修:川原礫

ざっくりあらすじ

第二回スクワッドジャムから三ヶ月後、第三回スクワッド・ジャムが開催される。

大会の佳境。生き残ったそれぞれのチームから一人ずつ選出され、中央の船へと運ばれていき “裏切り者チーム” という新たなチームとして闘うことになる特別ルールが明かされる。

レン率いる(?)チームからはピトフーイが運ばれていき、レンとピトフーイは再び闘うことになった。

こうして裏切りと銃弾の入り乱れる戦いの火蓋が切って落とされた。

感想などなど

レンと再び闘えると笑うピトフーイと闘わなくていいと思っていたのに闘う羽目になったレン。読み手としては「やったぜ」と拳を握ってしまいます。思い出されるのは第二回スクワッド・ジャム(以下SJ)の最後。生きるか死ぬかの手に汗握るあの戦いがまた見れるのかと期待せずにはいられません。

舞台は沈みゆく豪華客船。思い浮かべるのは超有名映画でありながら見たことのない人が多い映画第一位 タイタ二〇クでしょうか。

徐々に沈みゆく船に過去の歴戦を生き残ってきた強者達が集います。

レンやピトフーイにフカ次郎、Mさんは言わずもがな。

因縁の相手であるJKチーム「SHINC」

室内戦では最強を誇る「MMTM」

マシンガンをこよなく愛する《全日本マシンガンラバーズ》こと「ZEMAL」

第二回SJでは漁夫の利戦法で優勝したプロテクター集団「TーS」

どこが優勝してもおかしくない中、さらに特別ルールによってできた新たな裏切りチームも登場。メンバーには「MMTM」のリーダーや「SHINC」のリーダーとこれまた強者揃い。

これまでの集大成とも言える戦いが繰り広げられていきます。

 

何度も言うとおり舞台は沈みゆく豪華客船。市街地でもジャングルでもありません。舞台は刻一刻と変わっていきます。

図体の大きなMさんにとって室内戦は苦手。フカ次郎の武器も狭い場所では使い勝手が悪すぎて、そんな時のためのハンドガンは全く当てられないという始末。はてさて彼女たちは戦えるのでしょうか?

しかも相手として立ち塞がるのは、勝つためにはどんな手だって使うピトフーイ。今回もかなりエグい手を使ってきます。

そんなどっかの誰かさんのせいで船の状況は一変する。

船の横っ腹には穴が空き浸水が進み、船は大きく傾く。あぁあ、誰のせいなんだろうなぁ……。

 

前回はSJではレンとピトフーイには闘う理由がありました。命を救うというかなり大きな目的です。

しかし、今回はどうでしょう。最初このSJに参加したのは「SHINC」のリーダーと闘うという理由があってのものです。レンからしてみればピトフーイと闘う理由はありません。

むしろ「できれば闘いたくない」と考えているくらいです。だからこそピトフーイと同じチームで参加できるというのはとても有り難い話だったのですが、世の中そう上手くいくはずもなく。

再び闘うことになります。これは悲しいんだが、嬉しいことなんだか。そこら辺は読んで確認して下さい。

 

戦闘シーンは安定して緊迫していて楽しめるものです。ここら辺アニメで動いている所を見たいのですが、二期があると信じてそこに期待しましょう。

なれる!SE6 楽々実践?サイドビジネス 感想

ネタバレをしないように書いています。

※これまでのネタバレを含みます(一巻の感想はこちら→なれる!SE 2週間で分かる?SE入門 感想 - 九工大生のメモ帳

女怖い。

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作者:夏海公司

イラスト:Ixy

ざっくりあらすじ

 大学のゼミの同窓会で再会したアイドル的存在の伊織に工兵はバイトをしないか持ちかけられる。仕事内容は職場の無線LAN導入。

それなりに場数と修羅場を積んできた工兵は、かわいい女の子からの誘いを断ることもできず、意気揚々と彼女の職場へと向かった。

それが大いなる苦労の始まりだとは知らずに……。

その他ヒロインとの掌編を四編収録。

感想などなど

今までとは打って変わって掌編集となっている。まずは表題作である「楽々実践?サイドビジネス」について語らせていただこう。

始まりからして漂うのは不穏な空気である。第一巻、詐欺のような手で騙されてこの会社に入った過去をこの男――工兵は忘れているのだろうか。

今回の状況は「幅広い仕事を安い賃金で一人にやらせる」という説明でぜっくりとではあるが状況は伝わると思う。

最初頼まれた仕事は無線LANの導入。

すぐ終わるやないかい! と思ってしまう。

事実すぐ ”無線LAN” の導入は終わった。ただし、それだけにしては多いお金をいただいてだが。

「女怖い」と上では書いたが、実際はSEというものについて何も知らない素人と悪意を持って相応の収入を払おうとしない経営者が怖いと言った方がいい。

最近TwitterでもSEの職業が受けている不遇の扱いを目にする度に悲しくなっている(と同時に、なれる!SEで見たと思っている)。

この6巻もそれなりに前の作品であると思うのだが、時間がいくら経とうとも社会というものは大きく変わらないのだな、とラノベを読んで悲しい気持ちになってしまった。

最期の最期スカッとしていい気持ちになったが、どこか釈然としなかったのは自分だけではないと思いたい。

 

エピソード2では検証作業、エピソード3では採用試験。さくっと読める短さで、相変わらず関わる必要のないややこしい事件に巻き込まれていく。

しかし、今までよりはかなり優しい。何か自分の感覚が狂ってきている気がしないでもない。

エピソード2「今すぐ始める?検証作業」は「無名のベンチャー企業が作り上げたゴミを売る」という内容。どれほどにゴミかは読んで確認していただきたい。例えるならばゲーム買ったけどアプデにアプデを重ねなければ使い物にならない商品みたいなものです。

エピソード3「絶対合格?採用試験」は絶対に落とす立華と採用試験を担当するという内容。SE要素が薄いですが、あの人のフルネームが判明します。

 

さて、ここから先の物語はあまりSEの仕事内容とは関係ない。全く無関係とは言わないが、これまでのヒロインとの掛け合いに重きが置かれている。

完璧超人といっても過言ではない橋本課長と度々飲みに行っている工兵が彼女の相談にのる「心に残る?三分間スピーチ」。自分もいつかこんなことしたりするのでしょうか。

ストーカー女で酒飲み。立華と対等に語り合うことができる唯一の女性職員姪浜梢が断酒を目指して奮闘する「完全?禁酒マニュアル」。マニュアルと書いてはありますが、全く役に立たないことをここに明記しておきます。

 

さくっと読める内容です。この作品で採用試験の受け方を学びました。

 

人類は衰退しました3 感想

※ネタバレをしないように書いています。

※これまでのネタバレを含みます(一巻の感想はこちら→人類は衰退しました 感想 - 工大生のメモ帳

妖精密度

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作者:田中ロミオ

イラスト:山崎透

ざっくりあらすじ

わたしたち人類が緩やかな衰退を迎えて、はや数世紀。すでに地球は妖精さんのものだったりします。妖精さんと人間との間を取り持つのが調停官としてのお仕事です。

そんな私たちに一大プロジェクトが舞い込みます。

絶賛衰退中の人類の全ての記憶を目指した、ヒト・モニュメント企画……

その企画の影響で”夏の電気まつり”が開催されることに。一方妖精さんは、里帰り!?

妖精さんとの絶妙なお別れの後、私たちは都市遺跡の調査に向かったのですが、

エネルギーの供給は計画的に。

感想などなど

今回の話も相変わらずのブラックユーモア、社会風刺もりもりでした。わたしちゃんの毒舌も顕在です。

物語は前回のように中編二編ではなく、長編一本でした。

舞台は人類が衰退する前に栄えていた都市。所謂遺跡と呼ばれる場所です。

そこにはわたしちゃんの住む現代にはないような昇降機やパソコン? のようなものなど、呼んでいる自分たちにとってはなじみ深い物が数多くありました。

今までは本の向こうのファンタジー色が強かったのですが、急に ”人類が衰退した” という感じが強まってきました。

そして、妖精さんという存在の生態も幾らか分かってきました。

それが妖精密度という概念。妖精さんがどれぐらい自分たちの周りにいるのかを示すものとなっており、それによって自分の環境が大きく変わってしまいます。

それも自分の生命に関わるほどに……。

簡単に言っちゃえば妖精さんが多ければ死ぬような目に遭ったとしても死ぬことはなく、逆に少なければ死ぬような目に遭えば普通に死ぬというもの。

さて、これを理解した上であらすじを見ていただきたい。

妖精さんは里帰り!?』

……里帰りというからには、どこか遠くへ行ってしまって、わたしちゃんの前からはいなくなってしまうのでしょう。『絶妙なお別れ』とも書いてありますし。

ここでわたしちゃんがどこへも行かず、家でじっとしていればまぁ、まだ何とかなったかも知れません。しかし、彼女たち一行は謎に包まれた古い遺跡へと向かいます。

果たして無事に帰ることができるのでしょうか。

 

妖精密度。上でざっくりと示した内容ではよく分かってもらえないことでしょう。まぁ、本買って読めと言いたいところですが、もう少し突き詰めてみます。

まず、妖精さんがかなり多い状況。

『高層ビルから落下する』→ヒーローに助けられます。

『至近からの銃撃を受ける』→形見のペンダントが銃弾から守ってくれます。

所謂主人公補正、ヒロイン補正がかかるということですね。

さて一方、今回わたしちゃんが置かれる状況である妖精さんが0人の状況はどうなるのか。

『高層ビルから落下する』→死にます。

『至近からの銃撃を受ける』→死にます。

……普通ですね。これは冷たく冷酷な現実というやつです。

 

冒頭で助手が描いた絵本が登場します。

前巻で個性を手に入れたらしい彼は、大量に本を読み学習し、さらなる個性を手に入れつつありました。そんな彼の微笑ましい(?)成長をにやにやしながら楽しめます。

ガーリー・エアフォースⅡ 感想

※ネタバレをしないように書いています。

※これまでのネタバレを含みます(一巻の感想はこちら→ガーリー・エアフォース 感想 - 工大生のメモ帳

人類のために……

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作者:夏海公司

イラスト:遠坂あさぎ

ざっくりあらすじ

 人類の前に突如として出現した謎の飛翔体、ザイ。

そんなザイの対抗手段として開発されたドーターを操る美少女・グリペン

天真爛漫・自信過剰、いつも明るい金髪美少女・イーグル。

グリペンのパートナーとして共にドーターに乗り込む少年・慧。

そんな三人の前に現れた同じくドーターを操る美少女・ファントム。一見清楚で可憐な彼女は実は、腹に一物も二物も抱えた曲者で……。

個性豊かなドーター達は今日もザイから人類を守るために、空を飛ぶ。

感想などなど

一巻ではアニマ(ドーターに乗り込む美少女達)がザイを元に作られたことが明かされ、慧は選択に迫られます。最期の最期共に闘う道を選びました。

今回は新たなアニマが登場します。

その名もファントム。

前回もそうですが実在の戦闘機の名前をモチーフにしているそうですね。自分は詳しくないので、その観点から感想を書けませんが。

ファントムはショートカットで可憐なお嬢様の様な容姿で、見た目だけ見ればおとなしく可憐な女性……のように思われました。

やはり女性は見た目で判断してはいけないということなのでしょうか。

さて、そんな彼女についてざっくりと書いていきましょう。

まず彼女は一番最初に作られたアニマでした。彼女は人類がザイに勝つために生み出した希望の始まりのようなものです。

最初に作られた……。

どんなものでも一番最初に作られた物というのは、試験的意味合いがある物です。彼女も例外ではありませんでした。

からしてみれば、ザイから生み出したある程度感情を持った兵器。

いつか裏切られるのではないか? その疑念は制作者ですら拭えません。

結果として彼女はどのようになったのか。

今作を理解する上で重要な点の一つでしょう。

 

ザイに対抗するために作られたとは言え、ザイを圧倒するほどの力は持っていないのが実情です。そこで大事になってくるのが、作戦と連携です。

しかし、あっと言わせるほど素晴らしい作戦を出したところで、実際に闘う彼女たちの連携が取れていなければ、当然作戦は失敗します。

何よりも最優先事項としてやらなければいけなくなったのが、今回登場する、

グリペン

イーグル

ファントム

の三人がきちんと互いを信頼しあい、背中をあずけられる仲になることでした。

しかし、

単純に戦力として劣るグリペン

がむしゃらに敵に突っ込んでいくイーグル

そんな二人に背中をあずけられないと突っぱねるファントム

……互いにいがみ合い、計画された作戦も実行できぬまま、タイムリミットも刻々と近づいてきます。

さて、慧はどう動くのか。

 

相変わらず慧が優秀です。

前回もグリペンのために基地に乗り込み、戦闘機に一緒に乗るといい、共に命をはって闘いました。

そんな慧が今回も見られます。

相変わらず幼なじみの扱いは似たり寄ったり。いつか彼女が報われるときはくるのでしょうか。

イリヤの空、UFOの夏 その1 感想

※ネタバレをしないように書いています。

夏が来た。UFOの夏だ。

情報

作者:秋山瑞人

イラスト:駒都えーじ

ざっくりあらすじ

「6月24日は全世界的にUFOの日」

 新聞部部長・水前寺邦博のひょんな発言一つで浅場直之の「UFOの夏」は始まった。

夏休みはさも当たり前のように、裏山でUFOの張り込みを行った。

そんな夏休み最後の日。思い出を作るために学校のプールに忍び込んだ。しかし驚くことに、そこには先客がいた。手首に金属の球体をはめ込んだ少女は「伊里野可奈」と名乗った。

おかしくて切なくて懐かしい。そんなボーイミーツガールストーリー。

感想などなど

傑作。

そう言わざるを得ない。作品としてはかなり古い作品になるが、そんなものは作品の面白さには関係ないんだということを再認識させられる。

さて、物語は夜の学校のプールで始まる。そんじょそこらの夜ではない。夏休み最後の夜である。

そこにいたのが手首に金属の球体をはめ込んだ少女「伊里野可奈」であった。

手首に球体?! って時点でかなり異質である。しかし、異質な点はそれだけではない。スク水を着て彼女はプールの縁に座っていて、浅羽直之の予想外の出現に驚き、プールに落ちてしまう。そして溺れた。

彼女は泳げなかったのだ。

……まぁ、それは対して異質でもない。泳げない女の子なんて五万といるだろう。

そんな彼女を慌てて何とか助け出す。すると彼女は鼻血を出した。

当然主人公は慌てる。何かタオルがないかと、近くにおいてあった彼女のバッグに手を伸ばして開けた。

そこには目的のタオルが入っておらず、錠剤がぎっしりと詰め込まれていた。

……俺の知っている女の子はバッグに錠剤を詰め込んだりしないのだが、皆さんの周りの女の子はどうだろう。もしかして自分が工業大学に通っている内に常識が変わってしまったのだろうか? そうでないことを祈る。

鼻血も止まった。そんな彼女に泳ぎ方を教えることになった。彼女とプールに入り、何とかある程度形になったとき彼らは現れた。

スーツの男達。「帰る時間だ」と告げられ、意味も分からぬまま上がって外に出た。黒服の男が「家の近くまで車で送る」と言って、浅羽直之もそれに従った。

しかし、そこから先の記憶がない。

……自分は日常的にピンポイントな記憶喪失になったことがないのだが、皆さんはどうだろう? きっとないと思う。あるという方は病院に行って下さい。

夏休み最後の日が終われば、次の日は当然学校がある。宿題を全くやっていない浅羽直之も仕方なしに行った。

そこで再び出会う。転校生という形で彼女―伊里野可奈―はやって来た。

 

これが物語の冒頭だ。自分の文書力が残念なのが悔やまれる。

この作品の魅力の一つが文章にあると思う。中学生の瑞々しい一夏が感じられる、読んでいて心地よさを覚える文章。こればっかりは読んで貰わないと伝わらないものだ。

勿論魅力はそれだけではない。キャラクター達も魅力的な人達ばかりだ。今回は個人的に一番好きなキャラクターである水前寺邦博についてちょっと語らせていただく。

彼は浅羽の所属する新聞部の部長である。イケメンで成績も良く、運動神経もいい。当然(何も知らない新入生)にモテる。

しかし、残念なことに彼は変わり者だった。将来はFBIに入ることを夢見ていて、理由はUFOに関する極秘情報を隠し持っているのではないかと疑っているからであって、少し前の彼がつけた新聞の名称は『太陽系電波新聞』だった。

夏休み、浅羽直之が裏山にこもったのもこの水前寺邦博が原因である。

UFOを見つけるため。裏山にこもる。

一見馬鹿げている。しかし、彼ができる男であることが物語の最後に明かされる。最初に抱いていた先輩のイメージが一気に変わる(いや、ある意味むちゃくちゃであるという点では変わらない)。

二巻、三巻でめちゃくちゃかっこいいんだよなという話は今後、その2、その3の感想を書くときにでも語らせていただこう。

 

この一巻はあくまでちょっと変わった少女との日常シーンが比較的淡々と続いていく。

大きな変化は起きない。ミステリーでいうところの最初の事件が起きる前のシーンといったところか。

そういってしまうとつまらないと思われるかも知れないし、ストーリーだけ説明すればあまり面白くなさそうに聞こえるかも知れない。

しかし、その独特な文章のおかげで読み進める手は止まらないし、この一巻があったからこそ後半の展開でくるものがあるのだ。

 

何度も何度も読みたくなる魅力に溢れたこの作品。ラノベを語るというならば外せない一作なのではないでしょうか。本当は夏に入ってから描こうと思っていたのに、カクヨムで連載が始まって、書く欲が高まってしまいました。

本当に面白いので是非買っていただきたい。