九工大生のメモ帳

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ハイドラの告白 感想

※ネタバレをしないように書いています。

※前作のネタバレを含みます(前作の感想はこちら→プシュケの涙 感想 - 九工大生のメモ帳

たとえそうだとしても、愛しています

情報

 作者:紫村仁

あらすじ

美大生の春川は、新進気鋭のアーティスト・布施正道を追って、バイクにまたがって数時間。寂れた海辺の街にやってきた。

布施正道のアトリエがあるとされるその街で彼が出会ったのは、同じ美大に通う噂の由良であった。

彼もまた布施正道を追っているのだという。

これは不器用な人達の不格好な恋物語

感想

さて、プシュケの涙の続編ということで購入。プシュケの涙の終わり方からして続編はないだろうと勝手に思っていたわけだが、どういう訳だか続きがあるらしい。これは読むしかないだろう。

主人公は美大生の春川。これまた、凡人という名がよく似合う。これといった特徴の無い人物。

一方一緒に行動する由良は、変人の中の変人。しかし、顔だけは美人。

対照的とも言える二人は、布施正道を追いかけるという目的を抱き行動する。その布施正道がどこにいるのかを見つけ出すのが、前半、第一部となる。

布施正道は今どこにいるのか? 

布施正道とは一体どういう人物なのか?

それらの謎が解決に収束していく流れは、とても面白かった。

 

察していただけただろうか? 今回も二部構成となっている。第二部の主人公は……これ読んでて予測できる奴いないだろ、と思うくらい意外の人物であった。いや、本当に。ちょろっとしか出てないじゃん、と。

そこらへんの伏線が少し欲しかった気もする(あったんだけれども自分が見逃しているだけかも……)。

二部、つまりは後半はその主人公の絶望的とも言える恋愛物語だ。これが本当に絶望的すぎて泣きたくなる。どう絶望的なのかと言えば……ちょっと希望を見せてくるから厄介と言いますか、なんと言いますか……うん。恋愛偏差値の低い九工大生の俺には難しい話でした。ごめんなさい。

時系列的に言えば、一部と少し被っている。この観点から読んでも楽しめる話だった。

 

前巻を読んでいないと分からないということはないにしても、由良という人物についてと過去の出来事を知っていた方が楽しめることには違いない。

今回も一粒で二度おいしいという言葉がぴったりの作品だった。