※ネタバレをしないように書いています。
※今までのネタバレを含みます。
将棋の神様
情報
作者:白鳥士郎
イラスト:しらび
ざっくりあらすじ
竜王防衛線を終え、弟子二人も女流棋士になれて順風満帆と思いきや、新年早々事件勃発!?
おみくじでは、怪しげな結果。
新年一回目のJS研では、小学生たちに告白を受ける。
弟子の棋士室デビューは大失敗。
散々な新年を迎える八一。一方銀子は奨励会三段になるための大一番を迎える。
感想などなど
空銀子。今までミステリアスでクール……と思いきや不器用な残念なヒロインと散々自分は言っておりました。ルックスというかデザインは個人的にはトップなのですが、いかんせんあまり多くを語られてきませんでした。
そんな彼女の視点も交えて、今回は展開していきます。
八一とJSたちとの絡みは、八一のロリコンっぷりがこれでもかと発揮され、あいたちの涙ぐましい(?)努力も描かれとても面白いです。
しかし、そんな笑顔にあふれた八一たちの裏側では、死に物狂いで戦う人たちがいるのです。
空銀子。
女流二冠。
実力はあって一巻の感想を書いていたときは「チートだろ」と言っていたような気がします。いつもクールに冷徹に勝利を積み重ねる彼女は、さながらロボットのように感じていました。
しかし、彼女は女性……いや、女子中学生です。
血が通っていて、勝てば人並みに喜び、負ければ他人の何十倍も悔しがります。そして、人並みに恋心を抱いたりもします。
空銀子と九頭竜八一。
彼らはこの作品に登場するヒロインの誰よりも長く一緒にいて、互いに多くのことを知っていて、一緒に将棋を指してきました。
空銀子が八一に対して抱く感情は、他人から見れば明らかなものです。
でも、伝わらない。もどかしさを覚えた読者は自分だけじゃないでしょう。
今回は奨励会三段の昇進をかけた大一番を迎えます。
相手は初登場・椚創太 十一歳。
※残念ながら男子です
相手も今回勝てば三段へ上がれます。つまり、
空銀子が勝てば女性で史上初の奨励会三段
椚創太が勝てば史上最年少での奨励会三段
世間が注目する一戦の幕開けです。
空銀子の抱く感情がストレートに、彼女の言葉で紡がれた本作。最後の一文がすべてを物語っているように思います。