工大生のメモ帳

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猫の地球儀 焔の章 感想

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※ネタバレをしないように書いています。

壮大な星と宇宙の物語

情報

作者:秋山瑞人

イラスト:椎名優

ざっくりあらすじ

 スカイウォーカーというだけで宣教部隊に殺される時代。

36番目のスカイウォーカー朧が残したロボットと彼の人生の全てが詰まった瓶を拾ったのは、朧の予言通り、37番目のスカイウォーカーでその幽は一匹のちっぽけな黒猫だった。

 

史上最強のドルゴン・斑は過去四年にわたり頂点に立ち続け、斑に挑戦することは死を意味する。

その彼に勝利したのは一匹の白猫、焔であった。

 

そんな幽と焔が出会い、物語は始まる。

感想などなど

イリヤの空などで有名な秋山瑞人さんの作品。相当古い作品ではありますが、今でも余裕で通用する面白さと文章力です。

主人公……というよりは登場するキャラクター達は全員猫です。そんな猫たちが普通に会話し、口論もし、戦いもし、商売もします。

猫たちがそれぞれ生き生きと生活する様子が描かれる文章力はさすがとしか言えません。

そして、特筆すべきは戦闘シーン。

猫はロボットに電波を発して操ることで闘います。焔が扱っている二台のロボットの名前は『日光』と『月光』。その日光と月光が舞い、武器を振るって闘います。緊迫感あふれる一瞬も目を離せない戦いが本の中で繰り広げられています。

焔は最強と言われたドルゴン(ドルゴンとはスパイラルダイバーと言われる戦いを仕事とする猫の頂点に君臨する猫のこと)に戦いを挑んでいきます。

街の猫たちは誰もがその勝負は朧が勝つと思い、観戦席には猫が一匹もいないという状況。閑古鳥が鳴いています。

焔自身勝てないと思っていました。朧は最強。誰も勝てないと誰もが口をそろえて言う。

しかし、負けるつもりで挑んだその戦いで彼は勝利します。

そこで頂点に君臨した彼は一体何を思うのか。

 

一方幽はというと、自分のスカイウォーカーとしての役割を果たすために奮闘します。その活動というのは、その星での宣教師にとって謀反行為。行っている活動がばれれば処刑。

そんな幽は自分の身を守るために、宣教師達に見つからないためにどうするのか。

 

壮大な物語はスカイウォーカー・幽とドルゴン・焔が出会うことで幕開けです。この第一巻は壮大な物語のプロローグに過ぎないのです。最後まで読み終わった時、これから始まるであろう壮大な物語に対するワクワク感がたまらない作品でした。

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